【小説】社内恋愛

今時の社内恋愛をテーマにしたオムニバス小説

【社内恋愛】夏目美久(28歳)の場合 vol.15

「美久さん、俺ももうダメだ…」

 

航平がそう言うのを聞き、美久は少し興醒めしていた。

 

「で、彼女とはどうするの?」

 

ともう一度聞いても、航平はソファに仰け反り、何も答えない…

 

「イキたいの?イかせてほしいの?」

 

美久が舌の平をアソコにあてがいながら再度しごき始めると、航平はまた美久に覆い被さり、両腕で美久の頭を抱きかかえる姿勢になる。体中が力んでいて、いよいよかと思うタイミングで、美久は動きを止め、最後に航平のアソコに軽くキスをした。

 

「えっ」と航平がキツネにつままれた表情になったが、美久は最後に麗子の教えに沿えたと安堵する。ソファに戻り深々と座ると、また温くなったビールを口に含む。横にはアソコを出したままの航平が力無く、ソファの肘掛で頰に肘をつきながら、少し怒った表情で美久を見つめている。大きくため息なのか、深呼吸なのかをしていたが、このまま今日を終えることが、主導権を維持できることだと、改めて決意し、ソファを立つ。

 

洋介を起こさないように、寝室に入り、かためて置かれた洗濯物からバスタオルを探し出すと、またこっそりと寝室を後にする。洋介はさっき伝えた通り、布団の半分を自分が寝れるように空けているのが、かわいい。ゆっくりしたペースで小さな寝息をかいている。

 

リビングに戻ると、航平はダイニングテーブルの椅子に場所を変えていた。短パンジャージは元に戻りきちんと履かれ、テーブルには新たに冷蔵庫から出された缶ビールが開けられている。リビングに戻った美久のことはあえて見ず、テレビに映る海外の映画をただただ眺めている。

 

美久はびしょ濡れになったラグをバスタオルで拭くと、同じように濡れたスエットの上からバスタオルをあてがい、湿り気を拭き取る。航平の視線を気にしながら、スエットの中にもバスタオルを潜り込ませ、ショーツの水分も吸い取ろうとしていると、航平が意を決めたかな表情をして、缶ビールを手にまたソファに戻り腰掛ける。

 

「美久さんはさあ、結局どうしたかったの?俺を弄びたかっただけなの?」

 

おもむろに航平がそう切り出したのには驚いたが、美久には麗子の言う通り、「これはすぐにも2回目があるな…」と嬉しく思える。

 

「そんなことないよ。私は航平のことが好きだし、彼女にして欲しいと思っている。でも、航平には彼女がいるし、別れる気もまだないみたいだから、今日は我慢することにしたの…。でも私はホントに気持ちよかったわ、こんなの初めて…」

 

美久はそういうと、バスタオルを手に寝室に向かう。洋介を起こさないように、寝室の引き戸をそぉっと開けると、

 

「次は最後までしたいね…おやすみ」

 

と言い、バスタオルを元にあった洗濯物のかたまりに放り込む。洋介が空けてくれたスペースにそっと忍び込むと、タオルケットに身を包み、目を閉じた…


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