【小説】社内恋愛

今時の社内恋愛をテーマにしたオムニバス小説

【社内恋愛】自然と心を許してしまう…(長瀬亜紀)

亜紀の悩みは、自身が務めるチアリーディング部のキャプテンとしての資質についてだった。正直、自分がキャプテンには向いてないとまで考えている。部としての統制が取れず、一体感が薄れていることに悩み、自らその責務から降りた方が部の為では…とも思う。

 

「きっと、私にリーダーシップがないのかな…」

 

と、亜紀は航平に打ち明けると、航平はけして押し付けはせず、ゆっくりと答える。

 

「亜紀さあ、全部自分でやろうとしてない?」

 

航平の問いに対して、

 

「だって、それがキャプテンの仕事でしょ?」

 

と、さすがにお酒も進んできたため、亜紀も絡み口調だ。

 

「そうなんだけどね。キャプテンなので最終的には全ての責務はあると、俺も思うんだ。だけど、全てを自分でやってしまったら、部員は考えることをやめちゃうよ…」

 

「どういうこと?」

 

亜紀は訝しげに航平を見つめる。

 

「だからね、キャプテンなんて目標を決めて、それを伝えて、部員をどう動かすかに力を入れるべきなんだよ。さすがに全部自分でやろうとすると、限界が来るし、部員も楽しくないと思うんだ。部員にどんどん任しちゃえばいいんだよ」

 

それを聞いた亜紀は涙目になり、航平を見直したかのように見つめる。

 

「航平って面白いね。航平に相談してよかった。」

 

亜紀は、酔いもまわり、自分の中だけち留めていたことを解放できた喜びと、それを受け入れてくれた航平の優しさに、心が軽くなり、

 

「ねぇ航平、今から航平の部屋で飲み直さない?もう一つ相談したいことがあるんだ…」

 

と、航平のことを見つめた…

 

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