【小説】社内恋愛

今時の社内恋愛をテーマにしたオムニバス小説

【社内恋愛】洋介を睡眠導入剤で眠らせる…(夏目美久)

美久がダイニングテーブルに目をやると、洋介が今にも寝そうな体勢でダイニングテーブルにしがみついている。かろうじてイスから転げ落ちそうなのを必死で堪えているのだ。

 

普段美久は不眠症の気があり、睡眠導入剤を服用している。仕事のことが頭から離れず、床についてもなかなか眠りにつけないときに、睡眠導入剤を使っているのだ。美久はその睡眠導入剤を一錠、洋介のグラスに入れ、ビールを注いだ。言うまでもなく、洋介に早く眠りについて欲しかったからだ。効果は覿面で、洋介はグラスビールに口をつけてから、1時間も経たない間に、瞼すら開けられなくなる…

 

「洋介、大丈夫?寝室で寝なよ…」

 

美久が心配し声をかけても、洋介は聞こえているのかもわからないそぶりだったが、返事もせずに、フラフラになりながら寝室に向かった。

 

「洋介、私のスペースも空けといてよ!」

 

美久のその言葉に、洋介は喜んでいるように見えたが、美久は洋介と一緒に寝るつもりなんてさらさらない。早く航平と二人きりになりたい一心で洋介を寝室に促すのだ。

 

美久が寝室に入ると、洋介は本当に一人分のスペースを空け、布団で眠りについていた。美久は、洋介が深く眠りについたのを確認し、起きないよう寝室の引き戸をそっと閉め、リビングに戻っていった…

 

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