【小説】社内恋愛

今時の社内恋愛をテーマにしたオムニバス小説

【社内恋愛】美久の寝室で眠れる…(江口洋介)

急に眠気が襲ってきた。目の前の景色が、ぐるぐると回り出す…。洋介は堪らず、ダイニングテーブルにしがみつく。そうしないとイスから転げ落ちそうになるからだ。

 

「そんなにも飲んだのだろうか…」洋介は薄れていく記憶わ辿るが、居酒屋でビールを2杯、ハイボールを1杯、美久の部屋では、注がれたビールだけだ…。「今週も残業が多かったからな…」と自分に言い聞かせ自分を擁護したが、それはよく働いたという自負でもあった。

 

「洋介、大丈夫?寝室で寝なよ…」

 

美久が心配し声をかけるが、その声も遠くに聞こえる。洋介は二人を残し眠りにつくのは癪に障ったが、どう頑張っても瞼は開かず、美久の言う通り、寝室に向かう。

 

「洋介、私のスペースも空けといてよ!」

 

美久のその言葉に、洋介は嬉しくなり、またこの眠気と格闘する…

 

いつもは、美久が寝室、航平がラグの上、自分がソファーの上で眠るのが、定位置だったが、今日は、美久が普段寝ている布団マットに眠れる。しかも、後から美久がこの布団に来るのだ。

 

洋介は、眠気を我慢しつつも我慢しきれず、しかもニヤけも止まらず、端から見ると変顔となったまま、布団に倒れ込んだ…

 

洋介が深く眠りにつくのを確認し、美久は寝室の引き戸をそっと静かに閉め、リビングに戻っていった…

 

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